著作権はデザイン業において極めて重要な権利です。しかし、その内容が十分に理解されていない場合があります。著作権法に違反することは、デザイン業務に深刻な問題を引き起こします。以下の規約は弁護士の助言を受けて作成しております。内容をご理解いただき、遵守いただきますようお願い申し上げます。
弊事務所が制作したデザインに関する著作権について
デザイン料のお支払いのみで著作権が譲渡されることはなく、弊事務所の許可なく他の媒体での使用や改変は認められません。これはデザイナー、イラストレーター、プログラマー、作家など、すべての著作者に共通する権利です。
この権利が侵害されると、著作者は正当な対価を得られないだけでなく、無断使用や改変によって創作への意図や表現が損なわれ、著作者人格権(氏名表示権や同一性保持権)を侵害されることにもつながります。これは著作者の尊厳を傷つけ、創作活動や事業の継続そのものを困難にします。
適正な利用と権利の尊重にご理解とご協力をお願いいたします。
※著作者人格権について
著作者人格権とは、著作物の公表、氏名の表示、内容の改変に関して、著作者の意思や名誉を守るための権利です。
これは著作権法により定められた権利のひとつで、著作物を財産として利用する「著作権(財産権)」とは性質が異なります。
著作者人格権は著作者本人のみに認められ、譲渡や相続は法律上できません。
無断での改変・転載・使用は、著作者人格権の侵害となりますのでご注意ください。
デザインの二次使用について
弊事務所で制作したデザインデータを、お客様が無断で異なる用途や媒体に使用することは、著作権法により禁じられている行為です。
たとえば、「パンフレット用に制作したデザインを、ポスターやウェブサイト等に流用する」などは、著作財産権(複製権・公衆送信権等)および著作者人格権(同一性保持権)の侵害にあたります。
このような二次使用(目的外利用)には、使用範囲に応じた二次使用料が発生いたします。
目安として、デザイン料金の30%〜70%を基準とし、使用媒体の規模や露出度により変動します。特にウェブサイトや広告媒体など、広く公開される媒体では50%以上となる場合があります。
なお、多くの場合、弊事務所に新たにデザインをご発注いただく方が、コスト面でも効果面でも合理的です。
版下データの譲渡について
修正が容易な版下データは提供しておりません。版下データが必要な場合は、買い取りが可能です。価格は制作規模やクライアントの規模に応じて決定いたします。修正が必要な場合は、買い取りよりも修正依頼の方が経済的ですので、ご検討ください。
著作権の買取について
著作権の買取は「著作権(財産権)」に限り可能ですが、「著作者人格権」は法律により譲渡できません。買取価格は一般的に通常デザイン料金の5~10倍となります。また、「同一性保持権」によりデザインの変更やアレンジには制限がかかります。
ロゴマークに関して
ロゴマークは様々な販促物やツールにご使用いただけますが、デザインのアレンジは許可されていません。Adobe Illustrator形式のデータを提供し、印刷物等にご利用いただけるよう対応いたします。
【参考判例】
- 大阪地方裁判所平成16年(2004年)判決:デザインの流用が著作者の同一性保持権を侵害したと認められ、差止命令および損害賠償請求が認められました。
- 東京地方裁判所平成21年(2009年)判決:クライアントによるデザインデータの無断複製・改変が著作権侵害と認定され、損害賠償が命じられました。
- 東京地方裁判所平成30年(2018年)判決:著作権譲渡後にデザインが改変されたケースで著作者人格権の侵害が認定され、改変の差止と損害賠償が命じられました。
以上の規約は、お客様との円滑な取引と双方の権利保護を目的としています。ご不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。