著作権に関する規約

著作権はデザイン業において極めて重要な権利です。しかし、その内容が十分に理解されていない場合があります。著作権法に違反することは、デザイン業務に深刻な問題を引き起こします。以下の規約は弁護士の助言を受けて作成しております。内容をご理解いただき、遵守いただきますようお願い申し上げます。

弊事務所が制作したデザインに関する著作権について

弊事務所で制作したデザインは、著作物として著作権法により弊事務所に帰属します。デザイン料のお支払いのみでは著作権が譲渡されるわけではなく、弊事務所の許可なく他の媒体での使用や変更は認められません。これらはデザイナー、イラストレーター、プログラマー、作家など、あらゆる著作者に共通する権利です。

著作権の譲渡をご希望の場合は、別途契約を締結することで譲渡が可能です。使用条件については柔軟に対応いたしますので、ご相談ください。

デザインの二次使用について

デザインの二次使用について 弊事務所で制作したデザインデータを、お客様が無断で異なる用途に使用することは、「同一性保持権」(著作権法第20条)により法律で禁じられています。例として、「パンフレット用に制作したデザインをポスターに流用する」といったケースが挙げられます。このような二次使用には二次使用料が発生いたします。

二次使用料は一般的にデザイン料金の30%~70%であり、使用媒体の規模や露出度により変動します。ウェブサイトなど露出が高い媒体では50%以上となる場合があります。多くの場合、弊事務所に新規デザインをご発注いただく方が経済的です。

版下データの譲渡について

修正が容易な版下データは提供しておりません。版下データが必要な場合は、買い取りが可能です。価格は制作規模やクライアントの規模に応じて決定いたします。修正が必要な場合は、買い取りよりも修正依頼の方が経済的ですので、ご検討ください。

著作権の買取について

著作権の買取について 著作権の買取は「著作権(財産権)」に限り可能ですが、「著作者人格権」は法律により譲渡できません。買取価格は一般的に通常デザイン料金の5~10倍となります。また、「同一性保持権」によりデザインの変更やアレンジには制限がかかります。

ロゴマークに関して

ロゴマークに関して ロゴマークは様々な販促物やツールにご使用いただけますが、デザインのアレンジは許可されていません。Adobe Illustrator形式のデータを提供し、印刷物等にご利用いただけるよう対応いたします。

【参考判例】

  • 大阪地方裁判所平成16年(2004年)判決:デザインの流用が著作者の同一性保持権を侵害したと認められ、差止命令および損害賠償請求が認められました。
  • 東京地方裁判所平成21年(2009年)判決:クライアントによるデザインデータの無断複製・改変が著作権侵害と認定され、損害賠償が命じられました。
  • 東京地方裁判所平成30年(2018年)判決:著作権譲渡後にデザインが改変されたケースで著作者人格権の侵害が認定され、改変の差止と損害賠償が命じられました。

以上の規約は、お客様との円滑な取引と双方の権利保護を目的としています。ご不明点やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。